拝啓
チョコレートをもらえないぼくへ。
製菓会社の手のひらで、リア充同士がチョコレートひとつでバカ騒ぎしている男女を街で目にします。
バカだな~~~と思うのに、心底バカだと思うのに、この溢れ出る水はなんという名前なのでしょうか?
頬をつたう水には、味はしません。
毎年流れる水は、悔しいくらい無味です。
しかし、彼らは、毎年チョコレートを食べやがるのです。
楽しそうな顔で、幸せな人とチョコレートを食べているのです。
なんたることか。
そんなヤツらを見ると、私はあんなバカ共と一緒に、製菓会社の手のひらには乗らないぞ!!!と誓うのです。
それなのに、毎年スーパーで明治チョコを買う私は、なんなんでしょうか。
ニワトリなんでしょうか。
明治チョコの「ずっと変わらないやさしさ。」のキャッチコピーが今でも大好きです。
ただ、たまには、銀紙に包まれたやさしさじゃないモノも見たいですね。
きっと、変わってくれるやさしさなんだと思います。知らないけど。
明治チョコレートは、毎年変わらない味をぼくを楽しませてくれます。
チョコレートの独特の風味。コクのある味わい。
ああ、やっぱりうまい。
そう思い、口いっぱいにほおばると、甘さが口の中に広がります。
これが、変わらないやさしさ。ってヤツです。
ただ、毎年途中からチョコレートの味が、しなくなるのはなぜでしょうか。
食べていたチョコレートの味が、なくなるのです。
無味。
あれ?おかしいな?
真実は時として残酷です。
目を背けることも、大人として生きていくための大切なスキル。
寒空を見上げてるのに、しつこいくらいこみ上げてくるモノがあります。
ぼくは、そんな真実を認めたくない。
ぼくは、さみしくなんかないぞ!
そう思い、ぐっと歯を食いしばる。
すると、急に雨が降り出すんです。
ええ。驚くほどの雨です。一向にやむ気配がありません。
バレンタインは、いつも途中から雨になります。
2月に傘なんて用意していないぼくは、いつも困ります。
前が見えず、何もできないので、本当に困る。
ぼくにしか降ってないこの雨は、一体いつになったらやんでくれるのでしょうか。